青春ブタ野郎 映画「ゆめみる少女」編 原作との違い&ネタバレあり感想

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青ブタ

青ブタの映画「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」、映画視聴前から原作読了済みだった人間が書く”ネタバレありの感想”と”原作との違い”です。

もう映画を観てきて丸3日経つので鮮明に覚えている部分だけにはなりますが、気になる方はぜひー。

ネタバレNO Thank youの方はコチラを!
青春ブタ野郎 映画「ゆめみる少女」編のネタバレなし感想
青ブタの映画「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」のネタバレなし感想です。ネタバレありはコチラ!いやぁ。。。マジでこの日をどれだけ待ちわびたことか…。そして一言でいうと、実に素晴らしかったぞ。。素晴らしすぎてね、もうこれはただただ”素晴...

では早速!

記事中盤からガッツリネタバレしているので、「知りたくない」「これから映画を観る予定」という方はご注意ください。

率直な感想

まずはネタバレなしの感想で書ききれなかったことを少しだけ。

原作を読んで映画を見た私はこう思った

アニメを観ていた全オタクがむせび泣くほど素晴らしい映画だったのは確かで、泣くなと言われても涙がボロボロ出てくるほど最高の映画だったのも間違いない。

でも、一番に思ったのはこれですね。

正直、駆け足感が否めない内容ではあった。。

これはわりと序盤から感じます。

まぁ小説2冊分が1本の映画になる時点で粗方予想はついていましたが、先に原作を読んで内容を知っていた人はきっと同じ思いだったはず。

映画自体には何の文句もない。

むしろ、どこを取っても本当に最高の完成度だったとは思います。

がしかし、「原作」という素材があまりに神がかりすぎていて、それをあの尺ではすべて出し切れてはいないかなというのが個人的な率直な感想です。

こんなこと書くと原作厨がどうのこうの言う人もいますがあえて書くし、何ならそんなこと言う前に1回読んでみるといいと思うよ。

本当にこの作品が好きなら言ってる意味は絶対分かるから。

 

声がついて動くことの素晴らしさを再認識

しかもその声の主たちが超一流ばかりということで、原作を読んでいた時はまた違う衝撃がそこにはありました。

本当にどのキャラ・どのシーンも最高でしたが、全部は書ききれない…。

なのであえて1つ挙げるのであれば、映画の主役ともいえる2人の牧之原翔子を完璧に演じ分けていた水瀬いのりさんは天才としか思えなかったです。

こんなにもデリケートな役柄を演じ切って多くの人を涙させ、心を動かすのは生半可な覚悟の人が成せる業じゃないんだろうなと本当に感じました。

  • 本当は全部知っているのに空気読めない風の翔子さん
  • 自分を捨てて麻衣さんとの未来を選ばせようとする翔子さん
  • 病と闘う辛さを一切見せない翔子ちゃん
  • でも本当は辛くてたまらない翔子ちゃん

思い返しながらキーボードをカタカタやってるだけで泣きそうになるほど、どの牧之原翔子も本当に素晴らしかったです。

素人には大変さなんて微塵も分からないけど、それでも観ている人間の心を動かしたのは牧之原翔子の声あってこそだったと私は純粋に思いました。

 

ネタバレと感想

映画「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」はこんな映画だったというのを、アニメの内容も交えながらガッツリネタバレありで5つに分けて書いてみます。

ちなみに私、いい歳したおっさんで内容も知っていたくせに映画でもボロ泣きました…。

泣きポイントも記しておきます。

1.牧之原翔子とは?という物語

PV・キービジュからも分かるように、映画は2人の牧之原翔子が主役も同然。

彼女の謎がすべて解け、それに付随するようにアニメ版で謎のままに終わったその他伏線もすべてが回収されていく物語です。

言ってしまえば、映画の内容が本編でアニメは本編を観るための序章にすぎないような作りになっていますね。

  1. 牧之原翔子が2人いる真相
  2. 咲太の胸の傷が消えない理由

アニメで謎が解けぬまま終わった牧之原翔子に関するこの2つの真相をめっちゃ簡潔にまとめるとこんな感じです。

  • 子供の翔子ちゃんは重い心臓の病を患っていた
  • ↑だから梓川家に来なくなり、はやても引き取るに引き取れなかった
  • 大人翔子さんは未来人(翔子ちゃんの夢見た将来の姿)
  • 病を乗り越えて未来に存在している理由は心臓移植手術を受けられたから
  • ↑に咲太は翔子さんの胸の傷を見て気が付く
  • 心臓の提供者は咲太自身だということも察する(事故で脳死判定される未来だと翔子さんから告げられる)
  • その咲太の未来を防ぐため、翔子さんは咲太の元に現れていた
  • ↑翔子さんは自分を犠牲にしてでも自分を救ってくれた咲太の未来を守りたかった

めっちゃ簡単で申し訳ないですが上のような事情があり、かえでに対して何もしてあげられなかったと自分を責めてやさぐれる咲太を翔子さんは献身的に支え、前を向かせたというお話ですね。

咲太が事故に遭わない未来に変える=自分はドナー提供者がいなくなり、ほぼ助からなくなる。

それを分かった上で、未来をくれた恩人に対してあれだけの優しさを見せていた牧之原翔子の優しさと覚悟ですよ…。

これまでの陽気な明るい大人翔子さんの頑張りを思ってしまい、1度目の涙です。

でも、これだけで終わらないのがこの物語のおそろしくも素晴らしい部分なわけで、当然ここに麻衣さんも関わってくるわけです…↓

 

2.究極の選択を2度も迫られる咲太の物語

大人翔子さんが咲太の前に現れた真の理由。

それを聞いてすべての謎が解けたのはいいが、咲太から見ると大人翔子さんは自分の初恋相手であり、自暴自棄になっていた自分を救ってくれた大恩人でもある。

翔子さんを追いかけて進学する高校を決めたまであるんですから、相当な思いがあったに違いありません。

咲太が中学生のころに出会った未来の翔子さんが咲太と同じ高校の制服を着ていたということは…。で2度目の泣きです。

でも、今の咲太には麻衣さんという完璧超人彼女がいる…。

自分が事故に遭わなければ翔子ちゃんが助からない=未来の翔子さんもいなかったことになる。

かと言って自分が事故に遭えば麻衣さんはもちろん、多くの人に悲しみを背負わせることにある。

しかも咲太が事故に遭うのは12月24日。

麻衣さんとのデートの約束がある。

翔子さんからのお誘いもある。

これが1度目の究極の選択です。

当日まで悩み抜いた挙句、咲太は「麻衣さんの方に行く」という答えを出します。

ですが、直前で翔子さんの誘いは「咲太はきっと麻衣さんの方へ行く」と見越したものだということに気付いてしまうんですよ…。

つまり、事故に遭うのは翔子さんが待ち合わせ場所に指定した場所で、麻衣さんの元にさえ行ってくれれば咲太の未来は守れると考えた翔子さんの狙いに乗ってしまっていたわけです。

でもギリギリでそれに気付いてしまった咲太。

2度目の究極の選択はここですが、考えるまでもなく「このままでは終われない」という一心で翔子さんの元へとダッシュします。

自分が事故に遭うのを知っておきながら…。

正直、ここは見てられないほど辛かったですね。誰に感情移入しても辛かった。

そして待ち合わせ場所で翔子さんを見つける咲太だったんですが…↓

 

3.真の桜島麻衣が観られる物語

ここまで麻衣さんのことはあまり書かなかったですが、麻衣さんも翔子さんと翔子ちゃんの謎は本人(翔子さん)から聞いている状態で事は運んでいます。

自分を選べば翔子ちゃんの未来がどうなるのかということも…。

それでも自分との未来を選んでほしいと懇願して泣きじゃくる麻衣さんは、アニメ版からは想像もできないほどただの恋する女子高生で、本当に咲太が大切で大切で仕方がないのが痛いほど伝わってきました。

魅力増し増しですよ本当。

年上のお姉さんぶる麻衣さんは映画館にはいなかった…。

 

とまぁそれはさておき、それほど咲太が大切な麻衣さんです。

ある意味で咲太よりも咲太のことが分かっている。

そんな麻衣さんは、「咲太は事故に遭うのを覚悟の上できっと翔子さんとの待ち合わせ場所に行く」と予見し、自分の待ち合わせ場所ではなく翔子さんの待つ場所に…。

そこに咲太が現れ、事故に遭う寸前で咲太を突き飛ばして自分が犠牲になります。

そう、事故に遭うのは麻衣さんに変わって、麻衣さんが命を落としてしまうんです。

( ノД`)マジで見てられなかった…。

辛い…。

本当に辛い…。

 

4.優しさとは何なのかが本当によく分かる物語

麻衣さんが自分の身代わりになってしまうという、咲太からすると最低最悪の結末になったクリスマス。

失う前から大事だとは思っていても、本当に失ってしまって思いの大きさに実感が湧き、かえでの一件のときとは比べものにならないほど廃人化してしまう咲太。

そこにまず手を差し伸べたのは「双葉」と「国見」2人の友人。

マスコミに囲まれぬよう自宅で固まっている咲太を逃げ出させ、必死に守ろうとする友人の優しさが堪らなかったです。

そして少し時間は立ち、再び咲太の前には翔子さんが。

自分が事故に遭わなかったせいで存在が消えたかと思われていた翔子さんは「私のココ(胸)には麻衣さんの心臓がある」と告げ、「やり直せる」と咲太に言い聞かせます。

事故前からいた翔子さんは麻衣さんが事故に遭ったことで消えてしまい、事故後に麻衣さんの心臓があるといった翔子さんが現れた。

優しさなんかとうに超えている牧之原翔子の心…。

未来が変わってドナーが変わっても咲太の幸せな未来を作るために現れる翔子さん。。ここ、ガチ号泣でした。。

ちなみに麻衣さんがドナーの翔子さんが言う「やり直す」は、過去(24日)に戻って自分との待ち合わせ場所には来ず、麻衣さんの元へ行くという内容。

ただ、咲太が24日に戻ると2人存在することになるため、誰からも認識されず、誰の行動にも干渉できない状態からのスタート。

へんてこな着ぐるみを着て駅で喚いても誰からも認識されない咲太でしたが、そんな咲太に最初に声をかけたのは古賀ちゃん。

古賀ちゃんは尻を蹴り合った仲なので量子もつれがあって咲太が見えたそうな。

認識されたことにより行動を起こせるようになった咲太は、古賀ちゃんの力・のどかの力を借りて楽屋に1人いる麻衣さんの元へ向かいます。

これで咲太も麻衣さんも事故に遭わない未来に辿り着くわけですが、ここでも麻衣さんの優しさにまた涙ですよ。

どんだけ泣かせるんや。。

「自分がどうにかするから待ってて」と言う咲太に対し、麻衣さんは「事故に遭う現在の咲太を助けに行ってくる」と言うんです。

麻衣さん視点で見ると、未来の咲太が今自分の元に来ているということは自分が助けた証なわけですから…。

それでも結局は咲太自身が現在の咲太を助けます。

 

ただ、2人が生きている=牧之原翔子は…。

 

これだけ重いのにハッピーエンド

大人翔子さんのおかげで咲太と麻衣さんの未来は開かれたわけですが、翔子さんは…。

未来から来た咲太が現在の咲太を助けに行く前、自分の心臓を持つ翔子さんが待つ待ち合わせ場所に行き、「僕は翔子さんに何もしてあげられない」ということを面と向かって伝えます。

その場面が本PVの1:28あたりから。

自分の未来は絶望的な状況になるのに、表情一つ変えず咲太を見送る翔子さんのすごさ…。

優しさという言葉では足りんですよ(T_T)

 

そして、そんな翔子さんだからこそ迎えられた本当のラスト。

ここからは映像になっていない部分もあり、原作内容とそこから察した自分の推測も含んでいるのでザっと箇条書きにします。

  • これは未来に怯えた翔子ちゃんの思春期症候群だった
  • それに翔子ちゃんは自分で気が付く
  • ↑自分がもう一度やり直してくると咲太に伝える
  • 咲太は咲太で、自身も未来を拒んで思春期症候群を発症している
  • ↑ゼロからもう一度やり直す覚悟で過去を変える
  • ↑翔子ちゃんに未来があるルートを望んで
  • 結果、牧之原翔子のことは忘れたが、それ以外のすべてを元通りにする

そして元通りの生活まで戻った最後の最後、海辺でデートしている咲太と麻衣さんの近くには両親の前ではしゃぐ1人の少女が。

それが気になった咲太の脳内で牧之原翔子との思い出がフラッシュバックし、「牧之原さん!」と口走る。

「はい、咲太さん!」

満面の笑みで翔子ちゃんが答える…。

翔子ちゃんっぽい姿が見えただけで涙腺崩壊。

 

要するに「神作品」なわけだが。

しかしまぁどうやったらこれだけ矛盾なく、ラノベ8冊分の伏線を一気に回収した挙句、誰にしこりも残さない最高のハッピーエンドが作れるのか…。

神としか言いようがない。

原作と映画の内容の大きな違い

話の内容が根本から大きく変わってしまうような改変はなかったですが、抜けていた部分や気になった部分だけいくつか書いておきます。

ひとつ言えるのは、映画見たあとで原作読んでも何の違和感も感じないと思いますし、原作はもっと濃い部分が多いので、読むと絶対再び涙腺崩壊するはずです。

自分も映画館から帰って来るなり読み返してまた泣きました。。

ちなみに順番は「ゆめみる少女の夢を見ない」⇒「ハツコイ少女の夢を見ない」で、ゆめみる少女は麻衣さんが咲太を助けて事故の被害に遭ったところで終わり。

その続きがハツコイ少女になっています。

ただ、↓(序盤の入り方)に書いている部分だけは頭に入れておいたほうが良いかも…。

序盤の入り方

これについてはアニメの13話感想でも書いていたんですが、13話の終わり方に合わせて映画の出だしも作られていました。

映画では鍋を作る咲太と麻衣さんの元に翔子さんがイキナリやってくる感じではじまりましたが、原作では麻衣さんの居ぬ間に翔子さんが居候化し、そこに仕事を終えた麻衣さんが現れてあの状況になるというものでした。

ちなみにそこは「おるすばん妹」編の終盤の内容。

ストーリー的には全然矛盾はなかったんですけど、そこだけ知っておくと入りやすいかと思います。

 

失意の咲太はもっと長い

尺的にしょうがないんでしょうが、映画では割とあっという間に前を向いた咲太ですけど、麻衣さんを失った絶望は50ページ近く続き、ページをめくるのが辛くてたまらないです。

  • 告別式に行くかの話があり…
  • テレビで咲太のことを話す麻衣さんももっと長く…

もう本当に辛すぎて辛すぎて…。

 

麻衣さんがドナーの翔子さんと

あまり多くは喋らなかったので映画では変化に気付きづらい感じでしたが、これまでの翔子さんとは雰囲気や口調など、明らかな違いを感じます。

また、現れてから咲太を送り届けるまでにけっこう長めの会話があります。

この会話がめちゃくちゃ大事!

  • 何故麻衣さんがドナーの翔子さんがすぐ現れたのか
  • そもそも何で何もかも知っているのか

などなど、この翔子さんはけっこう色々と重要なことを喋っています。

しかも、麻衣さんがドナーとなったこの翔子さんが生きている未来では…。

これだけは一応伏せます。

こんなクソネタバレで知るより、「ハツコイ少女」を自分で読んだほうが絶対いいと思うよ。

それでも見たい人だけココ押して!(押すと開くよ)

あのシーン、一切触れられずに全カットでサラッと終わりましたが、実は麻衣さんがドナーの翔子さんの左手には指輪が…。

咲太に気付かれて慌てて左手を引っ込める翔子さん。

でもバラしちゃう。

「念願の学生結婚というものをしてしまいました」

そしてまだまだ続く翔子さんの最高なセリフの数々…。

「大好きな人には幸せになってほしいんです。いつも笑っていてほしいんです。たとえ、それがわたしに向けられた笑顔でなくても」

「わたし、ものすごくしつこいんです」

「だからもう諦めて幸せになってください」

さらに咲太のこのセリフが最高すぎた。

「未来に戻ったら、未来の僕に言っといてほしいんです」

「『かわいいお嫁さんを、世界一幸せにしろ』って」

それには翔子さんも泣き笑い。

ここは本当にカットしないで欲しかった…。

ここ映像にされた多分声が出るほど泣いたっすわ。

 

着ぐるみ咲太もかなり長い

上の場面に続いて過去に戻った咲太。

わりとすぐに古賀ちゃんに見つけてもらえましたが、ここの必死に誰かに見つけてもらおうと足掻きまくる咲太ももっと長いです。

全編通してですが、絶望のターンが長い分だけ原作の方が重みが強いですね。

その分、ラストの跳ね返りも半端ないですが…。

 

咲太父への紹介

アニメで「そのうち彼女を紹介しなさい」的なことを言っていた梓川父と梓川家でばったり鉢合わせ、このタイミングでご挨拶がありました。

特に何があったわけでもないですが、さすがの麻衣さんの見事な受け答えでしたね。

 

最後に

ラノベを読んでいてページをめくるたびに涙を拭かないと文字が読めないほど大泣き。

さらに映画館でも何度も泣くという…。

何なんだこの映画は…最高か。

どっちもマジで涙腺が崩壊する事態でしたが、どっちも本当に最高でした。

アニメは観たけどまだ映画と原作のどちらも観ていないという方に個人的にオススメしたいのは、「映画」⇒「原作」です。

それだと、きっといい感じに原作が補足してくれると思います。

では、今回はこの辺で!

 

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